品川 東海寺
沢庵和尚のために、徳川家光が建てたお寺です。沢庵
和尚は、紫衣事件で幕府と激しく対立した人物ですが、
その後、家光が帰依するようになって、その家光が沢庵
を江戸に留めるために、東海寺を建立したということです。
沢庵和尚については、「たくあん漬け」の考案者という説
もあるそうですが、それは疑わしいという説もあります。
少し離れた大山墓地には、沢庵和尚のお墓のほか、
本居宣長も教えを受けたという国学者・賀茂真淵、
天文学・数学・暦学で有名な渋川春海(安井算哲)、
明治時代に鉄道の国有化に尽力した「日本の鉄道の父」
と呼ばれる井上勝のお墓もあります。
東海寺の大山墓地 渋川春海のお墓の説明
JRの鉄道にはさまれた すぐ後ろには東海道新幹線
土地にあります。
熊倉功夫 『小堀遠州茶友録』 中公文庫
作庭、築城、茶など、あらゆる分野で活躍した寛永文化
を代表する芸術家・小堀遠州の交友関係を記した本です。
小堀遠州は町衆、僧侶、公家、大名、将軍など幅広く交流
を持った人物です。遠州は「綺麗さび」と呼ばれる境地を開
いたと言われます。
この本では、小堀遠州と交友のあった人について語られ
ますが、その記述を通して、戦国、安土桃山、江戸への時
代の変化を知ることができます。
東海寺についての記述は、徳川家光と沢庵和尚のとこ
ろで出てきます。
東海寺では、寛永十三年(1636年)五月二十一日に、
小堀遠州が将軍・徳川家光に茶を立てた有名な茶会
が行われたそうです。床には、藤原定家の『桜散文』が
飾られ、油滴天目に芙蓉の天目台など、名物の茶碗が
用意されました。
また、寛永二十年の茶会で、家光が池の小島の石の
銘を尋ね、遠州が「万年石」と呼びかけると石がうなずい
たというエピソードが、この本の中で紹介されています。
吉川英治 『宮本武蔵』
また、吉川英治氏の小説『宮本武蔵』の中では、沢庵和
尚が重要な人物として登場します。
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